[]64DDとランドネットとマリオアーティストとネットスタジオと自分 その3

 前々回前回の続きです。
 今回はネットスタジオの当時の状況について、概要を。


 ランドネットのサービス「ネットスタジオ」では、幾つかのコーナーでユーザーが作品をアップロード、ダウンロードできました。

 まず実質メイン、常設の作品展示場所として、作品形態別、週別に作品が掲示される「ネットギャラリー」がありました。公序良俗著作権に問題が無いかでランドネットの審査を通った作品は全部、全てのユーザーに対してオープンに展示されるもので、削除・差し替えは通常不可。
 そしてその中から、その一週間にダウンロード数の多かった作品の「ランキング」、ランドネットが優秀な作品を選定した「イチオシ」と「チョイオシ」、メールでユーザー名の投票を受け、得票の多いユーザーの特設ページが設けられる「THE個展」というピックアップがありました。

 次にお題に沿った作品で賞を争う「マリオアーティスト甲子園」、賞品は無いけどクリエイター様からのお言葉を頂ける「GAMEクリエイターへの挑戦状」といった、コンテスト的な作品募集、選考、結果の掲示が行われた「イベント」も、回数は少なかったですけれどもありました。

 そしてランドネットの審査を受けずに、作品IDを受け渡した相手に1度だけダウンロードさせることができる「個人ボックス」。ランドネットの審査を通らなかった作品の配布や、合作のための素材受け渡し、ネットギャラリー等へのアップロード前の他者によるチェックなどに使われてました。


 これらの詳しい内容については長くなりますので、64DD研究所の「ランドネットの企画」と「ランドネットのコンテンツ」を参照してみてください。ということで省きます。

 また、どれぐらいの人がどれぐらいの数、どういう傾向の作品を出してたのかについて興味のある方はカメボンの気まぐれ雑記帳の「ランドネット記念館」に一覧がありますので参照してみてください。画像では見れませんけど…。



 それと追加して、当時の状況を語る上で重要なこととして「参加人数の少なさ」があります。
 ランドネットの会員数は15,000人、実際にはもっと少ないとも言われてますが、ネットスタジオの参加者はさらにもっと少ない状況でした。
 作品のダウンロード時に総ダウンロード数が表示されるのですが、最も多いもので500台半ば程度、それはダントツで、他に100を超えるものは数えるほど、イチオシ等に選ばれたらだいたい数十、選ばれなかったら、ユーザーにもよりますが知人や固定客で10を超えれば良い方、そういった繋がりを持たない場合は作品のネタにもよりますがだいたい10未満、場合によっては0ということもザラ…そんな状況でした。

 そして「通信の遅さ」。作品ダウンロードのためのページを表示するのに数十秒は待たされ、実際ダウンロードするのには、モノによりますが数分から十数分…運が悪ければ途中でエラー、やり直し…。

 さらに「作品閲覧の面倒さ」。コミュニケーションキットでダウンロードしたら、一旦電源を切ってソフトを入れ替え電源オン、そしてデータを読み出すために再度コミュニケーションキットに入れ替え、元のソフトを入れ直して、やっと見れる…。

 要するに、他のユーザーの作品を見るのも、他のユーザーに作品を見てもらうのも、結構ハードルが高かった、という状況がありました。
 キャプチャ用に機器を揃えることが出来れば、今の方がマリオアーティストシリーズで作ったものを他の人に見てもらうのは簡単なのかもしれません。ただ、生のデータを受け渡すことは出来ませんが(これは意外と重要なことですが、後ほど)。


 では、そんな状況の中、ネットスタジオという場でユーザー達がどう遊び、楽しんでいたのかですが…長くなってきたので、また次回ということで…。